木造文化財保護

湿度を調整した温風処理技術による木造文化財保護プロジェクト

木造文化財保護

木造文化財建造物の生物劣化リスクとその対策技術

歴史的木造文化財建造物は、常に生物劣化のリスクにさらされています。特に乾燥した木材の内部を食い荒らすシバンムシ類による被害は甚大であり、最悪の場合、建造物の倒壊に繋がる可能性があります。これまでは、これらの処置としてガス燻蒸(フッ化スルフリルガス)が用いられていましたが、使用するガスの毒性が極めて高いこと、温暖化係数が高いこと等、課題が多く、代替の手法の開発が求められていました。

国の関係機関等による
「湿度を調整した温風処理技術」の開発

そこで、独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所、公益財団法人日光社寺文化財保存会(以下、保存会)他により、木造文化財の木材を傷めないように湿度を制御しながら一定の時間高温にさらし木材中の害虫を死滅させる新たな手法が開発されました。

木造文化財保護

実証試験に関わりオペレーション技術を習得

この処理では、建造物やその解体材を断熱材で覆い、木材の平衡含水率を変えずに内部の温度を一定の速度で60℃にまで上昇させ3日間維持したのち、一定の速度で外気温まで下げることが求められます。
KANSOテクノスは、2022年度の保存会らによる実証試験等に関わり、湿度を制御した温風処理に係るオペレーション技術を習得してきました。

重要文化財を対象とした実業務を受託しオペレーションに従事

2023年9月には、日光山輪王寺の重要文化財「護法天堂」の解体材を対象とした「湿度を制御した温風処理業務」を受託し、約20日間、24時間体制でオペレーションに従事し、生物が死滅すると言われている60℃を3日間維持することに成功しました。

約20日間の相対湿度と温度の推移

約20日間の相対湿度と温度の推移

約20日間の相対湿度と温度の推移
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発注者 公益財団法人 日光社寺文化財保存会
実施年度 2023年度
実施場所 日光山輪王寺(栃木県日光市内)